【プロ絵師が解説!】初心者でもわかるグリザイユ画法!メリット・デメリットは?
この記事では、いま話題のグリザイユ画法について解説していきます!
イラストレーターのしまエナガです!一緒に学習しましょう!
「グリザイユ画法ってそもそも何なの?」という疑問から、実際の作業工程まで画像13枚でわかりやすく解説していきます!
グリザイユ画法とは…
グレースケールで陰影を描いたあとに着彩する画法
一般的な厚塗りは線画を描いた後に陰影と塗りを同時に行います。
一方でグリザイユ画法は線画を描いた後にグレースケールで陰影を描き、その上からオーバーレイで着彩をします。
オーバーレイの特徴として、下部のレイヤーの色の暗い部分には色が濃く塗られ、明るい部分には薄い色が表現されます。この機能を活かして色塗りの時間を大幅に短縮することが可能になるのです!
でも、影と塗りの作業を分けるのって面倒くさいんじゃ…?
そんなことないよ!でも、デメリットもあるから、確認してみよう
グリザイユ画法のメリット・デメリット
グリザイユ画法のメリットは、簡単に厚塗りの表現ができることです。また、色彩に惑わされずに陰影の表現に全集中できるので、修正する時間が削減されます。
一方、グリザイユ画法のデメリットは、陰影を正確に表現できる基礎力が必須ということです。これは練習により身につくスキルなので、表現力に自信のない方も是非チャレンジしてみてください!
グリザイユ画法でイラストを描いてみよう!
今回はこのキャラクタ―をグリザイユ画法で描いてみます!
① グレースケールで塗る(明度50%前後推奨)
② 真っ白(#FFF)は少なめにする
③ ハイライトはまだ書かない
①新規レイヤーを作成→オーバーレイにして色を塗る
②上記①の要領で色の数だけ新規レイヤーを作成し、塗っていく
①「通常モード」でつやを足すイメージで描き込む
②小物は通常レイヤーで塗り、仕上げる
STEP.1 グレースケールで陰影をつける
まずは線画をグレースケールで塗っていきましょう!
グレーの明度は50%くらいで描くことをおすすめします。
白黒だけで絵を描くとオーバーレイで色が反映されなくなるため注意が必要です。
肌などの明るい部分は薄いグレーで描き、影の部分は濃いグレーで塗っていきましょう。
注意点としては、真っ白な部分は少なめにしてください。
白色を多用すると完成時に白飛びしたイラストになってしまうからです。
また、ハイライトは後ほど加えるので、今は無視してOKです!
① グレースケールで塗る(明度50%前後がオススメ)
② 真っ白(#FFF)は少なめにする
③ ハイライトはまだ書かない
STEP.2 オーバーレイの新規レイヤーに色を塗る
STEP.1で完成したモノトーンのイラストの上に新規レイヤーを作成し、レイヤーモードを「オーバーレイ」にします。
ブラシで肌を塗ると、上の画像のように光の当たっている部分には明るい肌色、影になっている部分には暗めの肌色が描画されます。
(必要に応じてレイヤー名を「肌」などに変更しておきましょう!)
同じ要領で「新規レイヤー作成 」→ 「レイヤーモードをオーバーレイに変更」→ 「色塗り」の工程を繰り返しましょう!
色数が多くなるとレイヤーパネルが乱雑になるので、整頓することも大切です。パーツごとにフォルダーにまとめ、さらにフォルダーのレイヤーモードを「オーバーレイ」にすると見やすく整頓することができます!
①新規レイヤーを作成→オーバーレイにして色を塗る
②上記①の要領で色の数だけ新規レイヤーを作成し、塗っていく
STEP.3 ハイライトの追加と仕上げ
新規レイヤーを最前面に作成し、「通常モード」でハイライトを書き込んでいきます。
目や、唇などのツヤを足すイメージで追加するとクオリティがアップしますよ!
髪の毛にもツヤを足します。
虹色のキューティクルを加えてみましょう。
「通常モード」ではなく、「ハードライト」などを使用することでリッチな表現が出来ます。
ちなみに、影を足したい場合は「乗算」にすると馴染んだ影が表現できますよ!
最後に小物を通常レイヤーで塗り、加筆・修正して完成です!
①「通常モード」でつやを足すイメージで描き込む
②小物は通常レイヤーで塗り、仕上げる
まとめ
実際に工程を見てみると、そこまで複雑ではないことがわかります。
グリザイユ画法のメリットとして色を後から変更しやすい点を挙げましたが、これはレイヤーごとに色相/彩度を変更できるからです!
完成後に色を微調整してみるのもおすすめですよ!
① グレースケールで塗る(明度50%前後推奨)
② 真っ白(#FFF)は少なめにする
③ ハイライトはまだ書かない
①新規レイヤーを作成→オーバーレイにして色を塗る
②上記①の要領で色の数だけ新規レイヤーを作成し、塗っていく
①つやを足すイメージで描き込む
②小物は通常レイヤーで塗り、仕上げる
グリザイユ画法は短時間で厚塗り風の絵が描ける有効なテクニックです。
とはいえ、慣れるまで時間はかかるので、繰り返し練習をしてみてくださいね!